2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

たぶん最初に書いておくべきだった

それでも書いていて気が付いたことだから仕方がない。 文体とは、あくまで人柄だ。ユーモアのないひとにユーモラスな文など書けるはずもなく、大まかな性格の人に神経質な文は書けない。文章技術より、自己発見のほうが先である。 父の三兄弟のうち誰が読ん…

読書感想文 ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ/滝本竜彦

読んだ順番もあって、「水の時計」ととにかく対照的に映った。 どちらも舞台は凍てつく冬、主人公はまっとうとはいいがたい17歳。けれども「水の時計」が体温を奪うような透明さだとしたら、この作品は血が沸いてしまうほど燻ぶった何かの上げる煙のようだっ…

読書感想文 水の時計/初野晴

寮生がいるおかげで他の学校よりも少し長い夏休みが始まる前に、教室で配られる文庫フェアの冊子が好きだった。 集英社のナツイチ、新潮文庫の100冊、角川が一番多く買っている気がするのに「カドフェス」なんて名前がついているのは知らなかった。この本に…